国際健康科学研究院

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健康科学情報

2016年10月13日
【癌】
癌性腹水治療のあかり

癌性腹水は抜いたら弱まる──がん専門医の99%はそう考える。実際、単に腹水を抜くと身体に必要なタンパク質も体外に出てしまい、さらに腹水がたまるという悪循環を起こす。1981年に保険適用もされている「腹水ろ過濃縮再静 脈注法(CART)」は抜いた腹水から身体に必要な成分だけを分離濃縮して再び体内に戻すという、肝硬変の腹水には有効である。がん性腹水には多くの血球成分やがん細胞が含まれるため、ろ過メンブレン(膜)が直に目詰まりし、無理にろ過するとつぶれた血球成分から炎症物質が放出され、体内に戻す際にリスクが生じる。一回につき3リットル前後が限界で、10リットル以上溜まってくる大量の腹水患者には、根本解決にならない。2008年、東京都・要町病 院腹水治療センター長の松崎圭祐氏はCARTに可能性を見際目って、製造元と改良に着手。膜の構造やろ過法、目詰まりした膜の洗浄法を考案し、新たに「KM-CART」を完成。
「抜いたら弱る」から「抜いたら元気になる」へ。この新常識は8年経っても、医者のあいだ未だ普及途上だ。
参考:
http://www.kanamecho-hp.jp/clinic_daini/fukusui/kmcart.html (要町病院 腹水治療センター)
http://www.fukusui-cart.com/about/ (CART研究会)